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目次
遺伝カウンセラー胎児医療の現場で活躍する遺伝カウンセラー。その仕事は検査結果を伝えるだけではなく、妊婦さんとご家族に寄り添い、一緒に未来を考えるサポーターのような存在です。今回はFMF胎児クリニック東京ベイ幕張で遺伝カウンセラーとして働く加藤さんに、胎児医療との出会いから日々のやりがい、キャリアの可能性までお話を伺いました。
大学の授業で認定遺伝カウンセラーの方の講義を受けたのが最初の出会いでした。周産期看護の授業でしたが、授業の1コマで遺伝カウンセリングや出⽣前検査についても紹介されていて、そこから認定遺伝カウンセラーに関心を持つようになりました。
最初は大学病院で認定遺伝カウンセラーとして働いていました。出生前検査に携わりながらも、腫瘍・神経疾患などさまざまな領域を経験する中で、「お腹の中の赤ちゃんのことをもっと深く学びたい」と考えるようになりました。そんなときに出会ったのが、FMF胎児クリニック東京ベイ幕張の林院長が立ち上げたNPO法人「親子の未来を支える会」でした。
他の医療機関で診断を受けた後、気持ちが整理しきれないご家族に寄り添う「ホットライン」という仕組みがあることを知って、深く共感したんです。こういう支え方を医療の立場からもできたらいいなと思ったのが、胎児医療を本格的に志したきっかけです。
NPO法人「親子の未来を支える会」の活動を通じて林先生の存在を知り、先生がクリニックを開業すると聞いて「そこでなら、自分がやりたいと思っていた医療ができるかもしれない」と考えて、思い切って応募しました。
応募前に林先生と直接お会いしたことはありませんでしたが、研修会などで活動内容に触れる中で、自然と関心を持つようになりました。今でも当時の直感は間違っていなかったと思いますし、胎児医療に特化して、ご家族にじっくり向き合える今の環境は、まさに私がずっと求めていたものだったと思います。
どんな不安や疑問を抱えているのか、なるべく丁寧に聞き取るようにしています。出生前検査と聞くと「ダウン症候群」を思い浮かべる方が多いと思います。当院も「ダウン症が心配」というご家族は多くいらっしゃいますが、実際には「ダウン症だけが心配」というよりも「ダウン症のような」症候群や疾患が心配という方も少なくありません。
遺伝カウンセリングでは、間違いを正すというより、本当の心配事を一緒に紐解いていく、知っていくイメージで行っています。生まれる前にどんな情報を知っておきたいのかを一緒に理解することで、ご家族が納得できる選択ができるように導いていけたらと考えています。
あるご家族が非常に難しい決断をされたケースがありました。おそらく、言葉にできないほどの葛藤や思いを抱えていらっしゃったと思います。でも、最後に「ここでたくさん赤ちゃんのことを知れて、納得して決断できました」「来てよかったです」と言っていただけたんです。
最終的にどんな決断を取ったとしても、「赤ちゃんをよく知って、一緒に過ごせた時間だった」と感じてもらえる。そんな医療ができるのは、やはりこのクリニックならではのスタンスがあるからこそだと思います。
当たり前かもしれませんが、「情報をどう伝えるか」が難しい点です。例えば、赤ちゃんに何らかの所見が見つかった場合、情報をどう伝えるかで、ご家族の受け止め方が大きく変わってしまうためです。私の言葉ひとつが、赤ちゃんとご家族の人生に長く影響を与えてしまうかもしれないという緊張感は常に持っています。
大学院では、遺伝カウンセラーは「情報の交通整理をする人」と教わりました。情報が入り乱れて混乱している中で、お母さんやご家族を過度に楽観もさせず、不安を煽ることもなく、ただ正確に事実を伝えて、ご家族が落ち着いて考えられるようサポートする。本当に繊細な仕事だと思います。
医師ではない立場だからこそ、治療の話に踏み込み過ぎないように気をつけています。例えば心臓の病気が見つかったとしたら、ご家族の中には「移植が必要かもしれない」「この子は大変な人生になるのでは」と一気に深刻に捉えてしまう方もいます。
そんなときは、「私の立場からはここまでしかお話しできませんが、小児科の先生に聞けばもっと詳しくわかりますよ」などと伝えるようにしています。ご家族の「この子を育てることが難しいかもしれない」という思いに触れる場面もありますが、どのような気持ちも否定せず、丁寧に受け止めることを心がけています。「なぜそう思われたのか」を丁寧に聞き、その上で医療的に必要な情報を補っていく。それが、ご本人が納得して選べるように支える、私たちの役割だと思っています。
やっぱりご家族が「来てよかった」と言ってくださる瞬間です。検査や診断の結果は、必ずしもポジティブなものばかりではありません。それでも私たちが丁寧に寄り添って赤ちゃんのことを一緒に考えられた時間が、ご家族の中で前向きな記憶として残るようにしたいと思っています。
「出⽣前検査」と聞くと、産むか産まないかの判断という印象が強いかもしれませんが、私自身もFMF胎児クリニックに入職してから「生まれる前の赤ちゃんを知る」ということは、分娩や出生後の治療に備えられることだと実感するようになりました。
出⽣前検査が「命を救う検査」として機能する場面が多くあることを学びましたし、「胎児医療は、赤ちゃんのための検査」だと胸を張って言えるようになったことは、自分の中で大きな成長だと感じています。
胎児医療の分野はとにかく奥が深いので、新しい知識や症例に触れ続ける必要があります。もともと遺伝の勉強はしてきたつもりでしたが、胎児医療の現場では「病気を自分の目で見て判断する力」を求められる場面も多く、最初はとても大変でした。
今でも見たことのない病気や難しい症例を知るたびに、本で調べたりオンラインセミナーに参加したりして、少しずつ知識を積み重ねる努力をしています。特に胎児の心臓疾患や染色体異常に関連する疾患は、それぞれ必要な情報が違うので、幅広い勉強が必要なんです。
とても大事です。胎児医療は海外での発展が著しく、新しい知見やガイドラインはほとんど英語で発信されます。文献を読むだけではなく、学会や講演を視聴するにも英語のリスニング力が必要になるので、今も必死に勉強しています。自分のスキルアップは最終的には患者さんのためになると信じているので、学ぶことは自分の中で自然なモチベーションになっています。
「胎児医療に関することなら加藤さんに聞こう」と思ってもらえるようになりたいです。患者さんはもちろん、同じ医療者の方々からも信頼される立場を築いていけることが理想です。
そして、これから胎児医療を目指す人にとって、道しるべのような存在になれたらうれしいですね。SNSやブログでの情報発信も視野に入れていて、医療者が安心してこの分野に飛び込めるようなメッセージを届けていきたいと考えています。
「学ぶことに貪欲な人」これに尽きると思います。胎児医療の現場では毎日のように新しい症例や知識に出会いますし、ひとつとして同じ相談はありません。
自分が学び続けなければ、ご家族に正確な情報を届けられませんし、自分の判断も揺らいでしまいます。また、単に知識を詰め込むだけではなく、「目の前のご家族にとって、どんな言葉が適切か」を常に考える力も必要です。情報を整理して、冷静に伝えつつも、相手の心に寄り添える。そんなバランス感覚を持っている人がこの仕事に向いているんじゃないでしょうか。
胎児医療は国内では専門職が少なく情報も限られているため、最初は学ぶことが多いかもしれませんが、自分の存在が誰かの支えになるという実感を持てる、とてもやりがいのある分野です。
「もっと患者さんと深く関わりたい」「自分の知識を活かしてサポートしたい」と思っている方は、ぜひこの世界に飛び込んでみてください。自分のやりたいことが、自然と見つかる場所だと思います。
未来の医療現場を担う
新卒・第二新卒の皆さんへ
生まれる前の赤ちゃんを診る「胎児医療」は、日本ではまだ専門家が少ない分野です。しかし、海外では一般的であり、超音波検査や遺伝カウンセリングを通じて胎児の健康を支えています。
この仕事に就く「これまで胎児医療を知らなかった医療従事者」たちは、学び続けられる環境や専門性を深められる経験、そして何よりチームで命を支えるやりがいに魅力を感じ、成長していきます。あなたの情熱を「-1才からの医療」に向けてみませんか。